機動戦士ガンダムOO第一期を見終えて

第25話「刹那」でガンダムOOの第一期が終了しました(半年あけて第二期がはじまるようです)。
そこで、ここまで見てきたガンダムOOの自分なりの感想を書いてみたいと思います。
自分で書いててわけわからなくならないように、テーマを分けて書いていきます。

その1.第一期OOのストーリーに起承転結はあったのか?

特に四コマ漫画で有名な、ストーリー展開の構成としてよく言われる「起承転結」。
物語の発端となる「起」。起こった物語を進める「承」。
物語の大きな転換となる「転」。物語をしめくくる「結」。
この「起承転結」を守った物語は見てて生理的に気持ちいいものです。

さてOOですが、24話まで見た段階で僕は「これはひどい」と思いました。なぜそう思ったのか?
それは「起承転結」の「承」の部分をすっとばして、いきなり「転」、そして次の最終話で「結」を
迎えそうだと思ったからです。
ソレスタルビーイング(以下SB)が登場した一話が「起」とすれば
視聴者は続く「承」でSBがどういう組織で、メンバーはどういう人間達なのかの説明があるものだと思います。
しかし、実際にはガンダムマイスター達の出自は語られたものの、どういう経緯でSBに入ったなどの説明はなし。
サブクルーなどは出自さえも語られないまま、24話でどんどん死んでいきました。
SBの生い立ちを明らかにしようとしたサジのお姉ちゃんや、話を進める為にテコ入れ参入してきたと思われた
トリニティ組もあっさりと脱落。
ある意味、視聴者は物語内の一般人達と同じくらいの知識しか与えられないままで
物語は唐突に「転」を向かえ「結」に到ろうとしていました‥。

24話を見終えた段階で、僕は以上の理由から「これはひどい」と思ったのです。

しかし第25話を見てこの評価は一変しました。
考えてみれば当たり前のことですが、第一期は「機動戦士ガンダムOO」という物語全体の中の「起承」にすぎなかったのです。

第一期の中だけで「起承転結」を考えていたから駄目に思えたのであって、これを全体の中の「起承」部分と
考えればこんなに贅沢で面白い作品はない!と、思ったのが25話を見終えた後での僕の感想です。
(もちろんニ期で描かれる「転結」がグダグダなものだったら、この高評価はまたガラリと覆りますがw)

その2.ロックオンは犬死にだったのか?


ここでひとつ考えておきたいのはロックオンについて。物語のまだ「承」の段階で彼が死ぬ必要はあったのか?
あるならば、その死がもたらしたものは何だったのか?

主要キャラが死ぬ場合、そこには何かしらの見返りがなければいけないと思います。
要するにその死がキャラとして「おいしいかどうか?」という点。

例えば「仲間を庇って死ぬ」
ロックオンはサーシェスと私怨で戦っていたわけで、直接的にはこれにはあてはまらないかな。

「強敵と刺し違えて死ぬ」
4年後のシーンでサーシェス生きていたのでこれも当てはまらない。
ただし、一命はとりとめたもののもう戦える身体では無いということなら
戦争が死ぬほど好きなサーシェスにとっては死よりも耐えられない状況なわけで、
ロックオンの復讐は完遂したと見ることも出来るので、これは今のところ保留。

「その死によって生き残ったものに影響を与える」
これもどうかな‥。例えばその死によって仲違いしていた刹那とティエリアが和解したってわけでもないし
(むしろティエリアが刹那を認めかけていたのに、これでまた仲がこじれた?)。
あと、刹那がロックオンの死を乗り越えて成長したようにも見えない。

こう考えていくとロックオンの死に意味があるのか、疑問が‥。
ただひとつ意味を見出すなら、その3にも関係してくるのですが「回想シーン」キャラとして大活躍させるためなのではないかとw
ほら、ロックオンが死んでから急に刹那の回想シーンが増えたし。
SBの生い立ちやガンダムマイスター達がどういう経緯でSBに入ったのかといった話もこの回想パターンで明らかにされるかも
しれませんね。

その3.刹那は成長しない主人公?

その2.でも触れましたが、刹那という主人公は1話で登場してから25話までかけて、あんまり成長しなかった印象あります。

確かに周りから見ると単独で問題行動ばかり起こす困ったちゃんでしたが、彼自身は自分の行動に迷いがなく反省もない。
途中「俺はガンダムになれない‥」と、見てて笑っていいのかどうか迷うシーンもありましたが、あっさり自己解決しちゃうし。

ガンダムの主人公としては珍しく軸がブレていない主人公だと思います(良くも悪くも)。

そんな彼が成長するのは、最初から25話まで言いつづけた「武力による戦争根絶」という、
拠り所としているお題目を捨てるか、それを含んだ上でさらに大きな目標をもてる日が来た時だと思います。

もし二期でそういった刹那の成長が描かれないのであれば、一期が始まる前の段階ですでに刹那の成長は終わっていたと
考えることも出来ます。その成長を促したのはロックオン!ということでやはり兄貴は回想シーンで大活躍?w

その4. 二期に向けての期待と不安

一期まるまる使って「起承」を描くという贅沢なことをやったのですから、一期でほとんど明かされなかった謎や
因縁(刹那とグラハムも最後でようやくお互いを認識してライバル関係になれたことだし)を回収していくだけでも
面白くなならないはずはない‥。ただ、半年という時間を待つことで、こちらの期待値も自然とあがりますから、
それに応えれるだけのモノを見れないとかなりガックリきそうで怖いです。
謎や伏線ほったらかして、一期のように急展開の連続で置いてけぼりされて終わるという可能性もありますしね‥。

あと、一期で顕著だった過去のガンダム(特にファースト)のパロディは二期では辞めて欲しいなぁと強く思います。

ファンサービスなのか作り手の遊び心なのか(おそらく両方)、一期ではやたら過去のガンダム作品のセリフが
流用されていました。見てるときは楽しいのですが、それが余計なノイズとなって「ガンダムOO」という新しい物語に
どっぷり漬かるのをけっこう邪魔されたんですよね‥。

実況向けとか、ネタとして面白いとかではなく、「ガンダムOO」という作品を純粋に楽しみたいので、
ニ期では過去のガンダムに頼ることも茶化すこともなく、むしろ過去のガンダムで使われた言い回しは徹底して
使わないというくらいの気構えで、オリジナルな展開とセリフで勝負して欲しいと思います。


えーとりあえず、僕の感想はこれで終わりです。
ここまで読んでくれた方(いるのか?)ありがとうございました。
基本的にアニメを見ただけの感想で、雑誌の記事等は読んでいないので
的の外れた事や、矛盾点も多々あるでしょうが、まぁこういう意見もあるということでお見逃しください。

どうしても反論、異論を述べたい方は拍手返信、もしくは4月のサンクリの後の飲み会等で意見をぶつけてください。

それにしても‥スローネの三体合体攻撃は見てみたかったなぁ‥そのうちスパロボ大戦とかで出来るのかなぁ。

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