本日観た映画のプチ感想(これから観ようと思ってる方はご注意ください。特にデトロイトメタルシティーは辛口です)

ダークナイト

バットマンシリーズの最新作…というより『バットマン ビギンズ』の続編。
ビッグタイトルのわりにはあまり力を入れて宣伝されてない気がします(アメリカでは大ヒット)。
前作『ビギンズ』はティムバートン版よりも好きだったので、期待して観に行きました。

いやーなんともスゴイ、重厚な映画でした。アメコミモノの娯楽大作でこんなとんがった作品が生まれるとは…。
低予算のカルト作品ではなく、お金をかけた大作系で時々こういう作品が出てくるところにハリウッドの凄さを感じます。

ジョーカーが一回捕まるところまでは、「まぁ普通に面白いけど、評判ほどじゃないかなー」と思ってましたが、
そこから二転三転するストーリーはかなり歯ごたえがありました。

ちなみに故ヒース・レジャーのジョーカーの怪演が話題になってますが、あのメイクをしてイカれた演技をするのは結構
やり易いんじゃないかなーと思うんですが…。個人的にはハービー・デントの方が感情移入できつつもつかみ所の無い
キャラでとても良かった。


劇場版 空の境界/第五章 矛盾螺旋 

観る前は、橙子vs荒耶とか式vs荒耶とかアルバとか「あのマンションをどう映像化するのか?」とかに興味津々だったのですが、
結果的には巴にやられた。巴が幹也に連れられて実家に帰り、子供の頃の事を思い出すシーンからもう鳥肌立ちっぱなしで、
最後は思わず落涙してしまいました。巴…お前かっこよかったよ。

巴の声が最後まで誰だか分からなかったんですが、エンディングのクレジットで柿原徹也と知ってびっくりしました。
う〜む、シモンには聞こえなかったんだけどなー。

時系列シャッフルや、ループといった手法は押井作品を例に出すまでもなく、そんなに目新しいものではないけど、
効果的、かつ分かりやすい絶妙なさじ加減でした(難解に走らずちゃんとエンターテイメントしていた)。

全七話のうちの一話というのではなく、一本の映画として素晴らしい作品だったと思います。
…とはいっても、これを観るにはやはり1〜4章までは観ておくべきでしょうが。

これは少し冷静になった今でも不満なところが全く見当たらない…もう一回観たいです。


デトロイト・メタル・シティ(追記あり)

夏休み娯楽大作をとんでもないダークな映画にしたのが「ダークナイト」なら、下ネタ満載の品性下劣(褒めてます)な
ギャグ漫画をお茶の間向け作品に仕立て上げようとしたのがコチラ。

別に原作レイプに関してとやかくいうつもりはありません。
たとえ原作とは別モノになっても、映画として面白ければ問題ないと思います。でもこれは…。

松山ケンイチはじめ、キャストは良かったと思います。

問題は脚本と演出。
出だしは良かったんですが、テンポが悪いので、だんだんギャグも笑えなくなっていき、夢と現実の差とか、
NO MUSIC NO DERAMとかの主張もクドくなっていきました。そしてオチはもう「えぇー」って感じ。

あと、原作と違っててもいいと言いましたがどうしても気になったのが
原作の笑いのキモであるDMC信者のつっこみ(というかむしろボケ?)。
漫画ではクラウザーさんが何かやると、すぐ「でたー!クラウザーさんの●●だー!!」ってな感じの
勝手に都合よく解釈した信者のフキダシが入って、それが面白いところなのですが(※)、
映画では、クラウザーさんが何かする→信者(主に大倉孝二)が映る→一拍置いて上記のフキダシのセリフを
聞き取りやすいスピードでカツゼツ良くしっかり最後まで言う→周りの客とともにウォーと盛り上がる。
という段階を毎度律儀にくりかえすので、どうにもリズムが悪いように感じてしまいました。

※漫画ではこんな感じ
同じコマで、即座に信者のつっこみが入れれる。

改めて見ると色んな意味で映像化が難しい原作ですね…。

そういや映画館を出る時に前を歩いていたギャルが「デスメタルいいかも〜」って話してました。
イマドキのお姉ちゃんにそう思わせただけでもこの映画は成功なのかもしれん。
ただ…あれはデスメタルちゃう、ポップスインメタル(原作4巻参照)や!

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